2020年7月
【第1回】新型コロナ禍による新産業創出プロセス
〜「新しい⽣活・企業活動様式」・「技術⾰新」・「産業⾰新」の循環的発展ループ〜
- 新型コロナ禍による接触制限
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今回の新型コロナ・ショックは社会に大きな災いを及ぼしていますが、過去、社会的な危機は常に新たなビジネスの芽を生んできました。
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新型コロナ・ショックでは、「接触制限」が喫緊の課題として急浮上しました。
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- 新たな⽣活・企業活動様式の受容れ
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「接触制限」は、私たちにソーシャルディスタンスを保つ「新たな生活・企業活動様式」を受け容れさせる圧力として作用しました。
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私たちは、「生活」、「労働」、「企業」、「公共」等の活動を通じて社会とつながっています。これらのあらゆる側面で、私たちは「新たな生活・企業活動様式」を定着させるために、ITリテラシの底上げを図ると共に、企業や個人のIT装備率が急速に高まってきています。
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さらに、コロナ禍の緊急性から、社会の改革を阻んでいた様々な規制、既得権、慣習、社会構造などの障壁が一気に解消されてきます。
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- 技術⾰新(DX3.0)の進展
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この「新たな生活・企業活動様式」は、今後「DXの加速度的な発展(技術革新)」と相互作用を繰り返しながら進んで行きます。
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勿論、DX化は今に始まった変化ではありません。60年代〜コンピュータによる単純労働の⾃動化(DX1.0)、95年〜インターネットによる全ゆる情報の統合(DX2.0)が進みました。今始まっているDX化は、「全てのモノの情報化」と「進化する知恵」の融合により、全産業の創造化と効率化が進展するDX3.0とでもいうものです。
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DX3.0を構成する要素技術としては、「AI」、「5G」、「IOT」、「AR/VR」、「ロボット」の5つが挙げられます。「AI」は、財やサービスの提供者のインテリジェント化を高める技術として影響力を増して行きます。「5G」や「IOT」は、コミュニケーションの高速化、統合化を促します。「ロボット」、「AR/VR」は、主に使用現場側のソリューション技術として、現場の生産性向上に貢献します。
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- 産業⾰新(七つの新産業分野の創出)の進展
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「新たな生活・企業活動様式」は、「産業革新(七つの新産業分野の創出)」との間でお互いに影響を与え合って行くことになります。
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産業革新の方向を、「新たな生活・企業活動様式」の4つの領域に対応した「7つの新産業創出」で捉えられ、「エンタメ・ライフスタイル革新」、「消費革新」、「働き方革新」、「ビジネスプロセス革新」、「学び方革新」、「医療革新」、「政治・行政革新」が挙げられます。
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- 「新しい生活・企業活動様式」、「技術革新」、「産業革新」の循環的発展ループ
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この「産業革新」の進展は、先に見た「技術革新(DX3.0)」の進展とも、相互に影響し合う関係にあります。新たな産業が生み出されることは技術革新へのニーズを高め、技術革新がまた新たな産業革新を呼び起こすというループが形成され、更に「新たな生活・企業活動様式」もこのループに組み込みながら、全体が循環的に発展して行きます。
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- メガベンチャー達がこれらの循環的発展ループを回していく
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上記の循環的発展ループを高め新しい産業革新の推進者となるのは、大企業ではなくベンチャー企業です。ベンチャー企業達は卓抜した発想力と行動力で既存の慣習や産業構造を覆して新産業を創出して行きます。中でもメガベンチャーは、そのリーダーとなることが期待されます。
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以下では、それらのベンチャー企業が創出する7つの産業創出について述べて行きます。
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